就業時間内の昼寝と聞くと、何となくサボりを連想してしまいがちです。
しかし昼寝には脳を休ませる効果があり、適切な方法で昼寝を導入すると、業務中の集中力や記憶力などがアップします。結果的に業務効率を高めることになるでしょう。
社員の働きやすさが問われる昨今、就業時間内の昼寝推奨制度を取り入れる会社も増えてきています。
そこで今回は仕事中の昼寝の効果や正しい昼寝方法を紹介。さらに就業時間の昼寝に使えるオフィス家具も紹介します。
もっと快適な働き方を模索している方は、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
1.どうして昼食後に眠くなるのか?
働く多くの人が、昼食後に強い眠気を感じたことがあるのではないでしょうか。
そもそも、どうして昼食後は眠気が強くなるのでしょうか。いくつか理由があるので詳しく解説していきます。
食物の消化吸収のため
食べた物を消化吸収する際、胃に血液が集中します。そのため脳は血流不足の状態に。結果として、脳が上手く働かずに眠くなってしまうのです。
血糖値の急激な降下も、眠気の原因になります。食べ過ぎや早食いによって、食後に血糖値が急激に上がります。その後、大量のインスリン分泌により血糖値が急激降下。低血糖状態になり強烈な眠気が引き起こされます。
生体リズム
そもそも人間の生体リズムは、一日に2度眠気がくるようになっています。夜中の午前2時から4時が一番大きなピークです。
それに次ぐピークが午後2時から4時にあたります。
睡眠時間が足りていない
そもそも睡眠時間が足りていないことも、眠気が強くなる大きな原因です。
2019年にOECD(経済協力開発機構)の加盟33か国に行った、睡眠に関する調査があります。調査の結果、33か国の平均睡眠時間は8時間27分でした。
対して日本人の平均睡眠時間は7時間22分。日本人は世界一睡眠時間が少ないと言われており、世界平均と比べて1時間以上短くなっています。
特に家事や子育ての比重が傾きがちな、働く女性は男性よりもさらに平均睡眠時間が短いという結果も出ています。働く女性の中には、慢性的に睡眠不足状態の人が多いようです。
2.スペインのシエスタ制度
上で述べたように午後2時から4時は、眠気が強くなる時間帯です。
そのためスペインやアルゼンチンでは、午後1時から4時まで「シエスタ」と呼ばれる長い昼休憩を取ることが一般的です。シエスタの時間帯は長いランチを楽しんだり、昼寝をしたりして自由に過ごせます。
しかしシエスタの制度は始業時間が早く就業時間が遅くなるので、日本企業がそのまま導入するのはハードルが高いといえるでしょう。
3.仮眠制度を取り入れる日本企業も
長い昼休憩「シエスタ」を日本の企業が取り入れるのは、なかなか難しいでしょう。しかし短時間の昼寝なら、日本企業でも取り入れることが可能です。
そこで快適で高いパフォーマンスの業務を可能にするため、昼寝の制度を導入する企業が増えています。
昼寝というと「サボりではないか?」というイメージもあるので、多くの企業は「仮眠」という言葉を使っているようです。。
仮眠は短時間で大きな効果をもたらし、目覚めた後はすっきりとした状態での業務再開可能です。
仮眠の推奨として、仮眠スペース設置や通常より長い昼休憩の確保などの方策が取られています。
4.昼寝のもたらす効果とは
健康を維持するために、夜間の睡眠は7時間程度のまとまった時間が必要です。
しかし脳を一休みさせる昼寝は、短時間でもかなり効果が期待できます。
就業中の昼寝・仮眠は「パワーナップ」とも呼ばれ、積極的に取るべきという考えも広まりつつあります。
短時間でかなり大きな効果をあげます。多岐に渡る仮眠、パワーナップの効果をくわしく解説します。
集中力がアップ
短時間の昼寝や仮眠は、集中力をアップします。
これはNASAによる研究結果でも証明されており、「短時間の仮眠で集中力は54%も上がる」と報告されています。
記憶の定着
起きている状態では、脳は何らかの情報を処理し続けています。そのため新しい記憶を定着することができません。記憶を定着させるには一度睡眠が必要になります。
記憶の定着には長時間の睡眠だけでなく、短時間の仮眠でも効果があると言われています。
覚醒作用
短時間の睡眠は、脳を覚醒する効果があります。寝る前より脳の活動が活発になるので、「アイデアが浮かびやすくなる」「理解力が上がる」など業務効率アップにつながる効果をもたらします。
体力の回復
短時間の睡眠でも、筋肉の緊張が緩むので体の疲労を回復させます。アスリートも午後からの練習に備え、昼寝を取り入れている人が多いようです。
ストレス解消
業務からくる緊張状態が続くと脳は疲労し、ストレスホルモンを放出します。ストレスホルモンは、心拍数の上昇など体にも大きな影響を及ばすことに。
昼寝・仮眠で脳を休ませると、脳がクールダウンし、ストレス状態を解消できます。
睡眠不足の解消
睡眠不足が日常化すると睡眠負債を抱えてしまうことに。睡眠負債を常に抱えていと疲労感があるだけでなく、免疫力の低下や肥満、生活習慣病の発症の原因となります。
睡眠負債をなくすには、毎日の充分な睡眠が必要です。しかし忙しい人は、なかなか夜間の睡眠時間を長くすることはできません。
夜の睡眠に比べ、昼寝・仮眠は短時間でも効果は大きなものです。充分に夜間の睡眠時間を確保できない場合は、短時間の昼寝をすることで不足している睡眠を補い、睡眠負債の蓄積を防げます。
5.業務効率を上げる正しい昼寝の仕方
昼寝や仮眠は間違った方法で行うと、逆にだるさが残ったり、いつまでも眠気が残ったりし、仕事の支障になることも。
ここではすっきりと目覚められる、正しい昼寝や仮眠の方法をご紹介します。
1.ステージ2までのノンレム睡眠を行う
睡眠には2つの種類があることを、ご存知の方も多いでしょう。1つは脳を休ませるノンレム睡眠。もう1つは体を休ませるレム睡眠です。
昼寝・仮眠で行われているのは、ほとんど脳を休ませるノンレム睡眠です。
ノンレム睡眠にはステージ4まであり、数字が増えるごとに眠りが深いことを表します。ステージ3以降は眠りがかなり深くなるので、起きた時に倦怠感が残ってしまいます。
そのため昼寝・仮眠では、ステージ2までのノンレム睡眠にとどめておくことが重要です。
2.昼寝・仮眠は20分程度にする
ステージ2までのノンレム睡眠にとどめるには、昼寝・仮眠の長さを20分程度にすることが重要です。
それ以上眠り続けると、ステージ3以降まで眠りが深くなります。そうなると起きた時に倦怠感が残り、すっきり目覚められません。
また長時間の昼寝・仮眠は、夜の睡眠にも影響を及ばします。脳が休まされ過ぎると、夜に寝付けない「入眠障害」が起きやすくなるので注意が必要です。
3.昼寝・仮眠の前にカフェインを摂る
「コーヒーを飲むと目が覚める」とよく聞きますが、カフェインは飲んですぐに覚醒作用が表れるわけではありません。カフェインの覚醒作用が表れるのは摂取20分後です。そのため昼寝・仮眠の前にカフェインを摂ると、すっきりと目覚められます。
またコーヒーや紅茶、緑茶などでカフェインを摂ることで、リラックス効果が期待できます。それらを入眠前に飲むことで、リラックスして眠りにつけるでしょう。
4.楽な姿勢で寝る
仮眠スペースがある場合は、ゆったりと横になって仮眠ができます。またオフィスチェアにリクライニング機能があれば、フラットに近い状態で仮眠可能です。
しかしそういった条件がない場合は、自分のデスクで仮眠せざるを得ません。仕方なく机に突っ伏して寝る人は多いのではないでしょうか。
でも腕の上に頭を載せて寝ると、起きた時に腕がしびれていたり、首が痛くなったりする場合も…。本やファイルを積み重ね、その上にタオルを置くと、簡易的な枕になります。
また旅行などで使う首枕(ネックピロー)を使う方法もおすすめです。
5.午後3時以降は昼寝・仮眠をしない
昼食が遅かったり、仕事の緊張状態から解放されたりすると、午後3時過ぎでも眠気が襲ってくることはありませんか。
午後3時過ぎの睡眠は、夜間の睡眠に悪影響を及ぼします。なぜならば、この時間帯から体は夜の睡眠への準備を開始します。そこで昼寝をしてしまうと睡眠のリズムを崩してしまうのです。
眠くても軽いストレッチなどをして起きていた方が、夜にスムーズに入眠することができます。
6.昼寝に使えるおすすめのオフィス家具5選
①【14段階リクライニング】【ロータイプ使用可】フロアソファ
リフレッシュスペースにおすすめのローチェア。カフェ風のデザインでリラックスムードを演出できます。
背もたれは14段階のリクライニング機能付き。昼食後の短時間にちょっと仮眠するのにピッタリです。
②【セット商品】 パーテーション デスク チェア 教室 4人セット ジグザグ型
パーテーションに囲まれた、個人ブース4人用です。普段は集中して作業したい時の作業スペースとして使えます。
前方と側面が囲まれているので、女性でも安心して仮眠できます。
③5連 クロス ZIP スクリーン W3000×H1610mm パーテーション
移動しやすいパーテーションなら、どこでも仮眠スペースを作れます。
こちらの5連スクリーンはファスナーで繋がっているので、バラして運ぶことも可能です。1枚のパネルの重さは2㎏と軽量で、女性でも楽に移動できます。
④エルゴヒューマン プロ オットマン HIGH ハイブリッド
人間工学に基づいた、快適な座り心地が魅力のエルゴヒューマンシリーズ。こちらは最上級モデルの「エルゴヒューマン プロ オットマン」です。
細部にわたり微調整ができるので、オーダーメイド感覚の座り心地が魅力です。
シリーズの中で、オットマン付きはこのモデルだけ。ゆったりと足を伸ばして仮眠ができます。
⑤折りたたみ リラックスチェア2 [TAN-652][リック] リクライニング(6段階)
こちらは折り畳みできるリクライニングチェアです。普段は場所を取らずに収納できるので、狭いオフィスでもゆっくりと横になることができます。
リーズナブルな価格も魅力です。
まとめ:仕事中に昼寝を上手に取り入れて働きやすさや業務効率をアップ!
今回は脳の休息となる昼寝について、詳しく紹介しました。
毎日忙しく働く現代人は、夜間に充分な睡眠をとるのは難しいことです。そのため夜間睡眠よりも短時間で効果が出る昼寝は、上手な時間の使い方といえます。
昼寝で脳を休息させることで、どうしても低下しがちな午後の仕事のパフォーマンスは向上します。
社員に快適で業務効率のよい働き方を提供するために、ぜひあなたの会社でも導入を検討してはいかがでしょうか。