オフィスに自然の要素を取り入れる「バイオフィリックデザイン」。近年、国内外の多くの企業で導入が進んでいます。「バイオフィリックデザイン」の導入は、社員のストレス緩和の他に、業務効率アップなど多くの効果が期待できる施策です。
そこで、今回はバイオフィリックデザインの概要やオフィスへの取り入れ方、取り入れる時の注意点を紹介します。
「オフィスを社員がより生き生きと働ける場所にしたい」とお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
1.バイオフィリックデザインとは?
「バイオフィリックデザイン」とは、建築に自然の要素を取り入れる手法です。「バイオフィリア」という仮説から生まれました。
「バイオフィリア」とは、1980年代にアメリカの生物学者エドワード・O・ウィルソンらに提唱された仮説です。「バイオフィリア」は「バイオ(生命・自然)」と「フィリア(愛好・友愛)」が語源となっている、「人間は本能的に自然と親しみたい欲求がある」という考え方です。
さらに自然と繋がることで、心身の健康や幸福感が得られるとも言われています。
バイオフィリックデザインは、このバイオフィリアの考え方を建築デザインに落とし込んだもの。働く人が視覚だけでなく、聴覚でも自然と繋がれるように考えられています。
2.オフィスにバイオフィリックデザインを取り入れるメリット
自然との結びつきで、心身の健康や幸せが得られるバイオフィリックデザイン。オフィスに取り入れることで、具体的にどのような効果が得られるのでしょうか。
バイオフィリックデザインの主な効果は、以下の3つが挙げられます。
- 幸福度向上・ストレス緩和
- 業務効率向上
- 創造性の向上
それぞれ詳しく解説します。
2-1.幸福度向上・ストレス緩和
植物を見たり、自然光を浴びたり、自然の音を聞いたりすると、人間はリラックスし、ストレスが緩和されます。
ストレスが緩和されることによって、心身共に健康的な状態を保ちやすくなります。よって幸福度も上昇することに。
ロバート・クーパー社の調査によると、バイオフィリックデザインを取り入れたオフィスで働く人は、そうでない人に比べて、最大15%幸福度が高くなるという結果が出ています。
2-2.業務効率向上
植物や自然音、自然光などでリラックスし、幸福度が上がることで、人はやる気や仕事へのやりがいを感じやすくなります。同時にストレス緩和により、集中力も向上。
モチベーションや集中力が高い状態で、仕事に臨むので、結果的に業務効率アップが可能です。
前出のロバート・クーパー社の調査では、バイオフィリックデザインのオフィスで仕事をすると、そうでない場合に比べ、最大6%生産性が向上するという結果が出ています。
2-3.創造性の向上
自然と結びついた環境で仕事すると、そうでない場合よりも想像力が豊かになります。思考も深くなりやすく、創造性が向上します。
そのためバイオフィリックデザインを取り入れたオフィスは、イノベーションが生まれやすい環境と言えるでしょう。
ロバートソン・クーパー社の調査では、創造性が最大15%高まるという結果が出ています。
3.バイオフィリックデザインの取り入れ方は
バイオフィリックデザインの効果はご理解できたと思いますが、それではどうやってオフィスに自然の要素を取り入れれば良いでしょうか。
ここでは具体的なバイオフィリックデザインの、オフィスへの取り入れ方を紹介します。
3-1.植物の設置
一番大きな効果を期待できるのが、視覚的に自然を取り入れる方法です。視覚的な自然の取り入れ方として挙げられるのが、観葉植物の設置や木製家具の設置です。
3-1-1.観葉植物の設置
オフィスに植物を設置する際は、自然の中のような環境を目指し、やや多めに植物を設置します。植物は室内で栽培できる、観葉植物が良いでしょう。
植物を設置することで、先ほど挙げたバイオフィリックデザインの3つの効果以外に、いくつかメリットが期待できます。
植物は二酸化炭素を吸収し、新鮮な酸素を排出します。二酸化炭素が多い時に起こる、眠気や頭痛、息苦しさの回避が期待できるでしょう。
またハウスシック症候群の原因物質を吸収する、空気清浄能力もあります。さらに植物は葉っぱで蒸散を行っているので、オフィスの保湿効果も期待できます。
3-1-2.木製家具の設置
木製オフィス家具を採用するのも、バイオフィリックデザインの効果が期待できます。木製オフィス家具は視覚的に自然を想起させ、触わり心地も温かみが感じられるで、ストレス緩和の効果が期待できるでしょう。
3-2.窓からの眺めとして自然を取り入れる
窓から自然を眺めることでも、人間は幸福感やリラックス感を感じられます。そのため周りに緑が多い立地が理想です。
新しくオフィスを探す場合は、景観も念頭に置くことが重要です。
3-3.自然光を取り入れる
自然光を浴びると、人間は明るくポジティブな気持ちになります。また自然光が充分に入る大きな窓のある部屋の方が、そうでない場合よりも仕事や学習へのやる気が向上するという研究結果も出ています。
自然光は、人間の体内リズムを作る役割も果たすものです。昼間にある程度自然光を浴びることで、健康的な睡眠リズムを作れます。
自然光を取り入れるには、大きな窓があるオフィス環境を整えるのが一番です。新しいオフィスを探している場合は、そういった条件を押さえながら、オフィス探しをすると良いでしょう。
すでに入居済みの場合は、部屋を仕切るハイパーテンションを透明素材にするなどして、自然光をなるべく遮らないような工夫が必要です。
そういった工夫が難しい場合は、照明を自然光に使づける方法もあります。昼間は自然光に近い強い光を照射し、夕方以降は落ち着いた光にする調光システム導入も一つの方法です。
3-4.自然の音を取り入れる
自然界の音を聞くことでも、人間は幸福感やリラックス感を感じます。川の流水音、鳥の鳴き声、葉がこすれ合う音などを、BGM的にオフィスで流すことが効果的です。
4.バイオフィリックデザインを取り入れる時の注意点
自然をオフィスに取り入れる、バイオフィリックデザイン導入には、いくつかの注意点があります。注意点は以下の3点です。
- 自然に近い形で取り入れる
- 動線を確保する
- 植物管理の負担を軽減する
それぞれ詳しく説明していきます。
4-1.自然に近い形で取り入れる
植物や音が自然に近い形であればある程、よりリラックスでき、幸福感を感じられます。
つまり綺麗に整えられた鉢植えよりも、鬱蒼とした自然を模倣した形で植物を取り入れた方が幸福感をより感じられると言えるのです。
フェイクグリーンも視覚的な効果は期待できますが、見る人が人工的と感じると効果は期待できません。できるだけ本物に近い、精巧な作りのものを設置しましょう。
自然音に関しても同様で、人工的と感じると人はそれ程リラックスできません。本物に近い自然音によって、幸福感が感じられます。
4-2.動線を確保する
観葉植物をより多く設置することで、より効果が期待できるバイオフィリックデザイン。
しかし狭いオフイスの場合、多数の植物は動線を邪魔することになります。そういった場合は、植物を吊るす方法や壁に飾る方法がおすすめです。高い位置にある植物は、ふとした時に目に入りやすく、より効果が期待できます。
また今までパーティションで区切っていた場所を、観葉植物で緩く仕切る方法も有効です。
植物が上に置けるタイプの、オフイス家具を活用するのも良いでしょう。
4-3.植物管理の負担を軽減する
植物を多く設置すれば、それだけ管理に手間がかかります。担当社員を決めて管理するのも良いですが、負担がかかるようであれば、管理を外注するのも一つの手です。
また本物の観葉植物だけでなく、フェイクグリーンを混在させると、管理の手間を減らせます。
5.バイオフィリックデザインにおすすめのオフィス家具やフェイクグリーン
①オフィスグリーン BOXプランター GR2277 パーテーション
上部にプランターが置けるパーティションです。空間を仕切るパーティションにグリーンがプラスされれば、ぐっと温かみのある雰囲気が作れます。
脚がアイアンでできており、オシャレさと抜け感をプラス。圧迫感を感じさせません。単独での使用だけでなく、連結しての使用もおすすめです。
②プランター片面ハイテーブル W1760×D900×H900
- プランター片面ハイテーブル W1760×D900×H900
- 価格:105,300円
同じく上部にプランターが置ける、ハイテーブルです。受付の記入台や、フリーアドレスオフイスの作業スペースに適しています。
作業中も植物が目に入りやすく、リラックスして業務に取り組めます。
③フィカスベンジャミン W800×H1400×D800 ボックスプランター
人気の観葉植物ベンジャミンのフェイクグリーンです。パッと見では本物と見紛う精巧な作りで、植物管理に手が回らない職場にはおすすめです。
本物のグリーンと混在させて使うと、植物設置のメリットと手間の軽減を両立できます。
④フィカスベンジャミン W1700×H1800×D1250 フロアグリーン
まるで森の中にいるような雰囲気を作れる、大型のフェイクグリーンです。連結して使えば、さらにリアルさを実現できます。自然に包まれるような感覚は、想像力を掻き立ててくれるはずです。
エントランスに置けば、会社のシンボル的な存在に。リフレッシュスペースに置けば、さらにリラックスできる空間を作れます。
⑤W300×H300 フェイクグリーン グリーンパネル
観葉植物の設置場所が無いオフイスにおすすめなのが、パネルタイプのフェイクグリーンです。
1枚で絵画のように飾ったり、何枚か並べたり、格子柄に配置したりと、アイデア次第で様々な使い方が出来ます。
まとめ.バイオフィリックデザインを導入して社員のストレスを軽減し、モチベーション向上を!
オフィスに自然を取り入れるバイオフィリックデザイン。導入によって、働く人にリラックス感や幸福感をもたらします。またモチベーションもアップすることで、業務効率向上にも繋げられるでしょう。
バイオフィリックデザイン導入には、様々な方法があります。一度に全部実現するのは、なかなか難しいかもしれません。先ずはできるところから一つずつ取り入れて、より快適なオフィス作りを目指してみてはいかがでしょうか。