キャッシュレスやペーパーレスの流れは進んでいますが、どうしてもオフィスや自宅での保管が必要な金銭や貴重品、重要書類はあるものです。オフィスや店舗、自宅での空き巣被害が後を絶たない昨今、やはり大切なものは金庫に保管しておくのが安心です。
また重要な書類などは自然災害や火災からも、守らなくてはいけません。金庫は災害や火災などからも、大切なものを守ってくれます。
金庫は用途や施錠方法によって、いくつかの種類に分類されます。そのため金庫を選ぶ際は、使用目的や使い勝手の良さを考慮することが重要です。
そこで今回は用途別の金庫の種類や、施錠方法の違いを詳しく解説。さらにさまざまなタイプのおすすめ金庫も詳しく紹介します。「会社や自宅の財産をしっかり守りたい」と常日頃からお考えの方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
Contents
用途別の金庫の種類
金庫は用途によって「耐火金庫」「防盗金庫」の2種類に分けられます。それぞれの用途や特徴、性能の基準などを詳しく紹介します。
①耐火金庫
中に入れた書類などを火災から守るのが「耐火金庫」です。耐火金庫と呼ばれる製品は、JIS(日本産業規格)基準による耐火テストをクリアしています。耐火金庫と認められた製品は、耐火性能によって以下の5段階に分類されます。
ランク | 基準 |
0.5時間耐火 | 30分間、庫内の書類の消失を防ぐ |
1時間耐火 | 1時間、庫内の書類の消失を防ぐ |
2時間耐火 | 2時間、庫内の書類の消失を防ぐ |
3時間耐火 | 3時間、庫内の書類の消失を防ぐ |
4時間耐火 | 4時間、庫内の書類の消失を防ぐ |
最近は防火性に加えて、防水性・耐水性を兼ね備えた製品が多数販売されています。消火時の放水や津波や大雨による浸水も想定し、防水性・耐水性に優れた金庫を選ぶのもよいでしょう。
②防盗金庫
「防犯金庫」とは、窃盗を防ぐ性能の特に高い金庫のこと。大金や貴金属など、盗難で狙われる可能性の高いものを保管する場合は、ぜひ選んでいただきたい金庫です。
防犯金庫は、日セフ連(日本セキュリティファニチュア協同組合連合会)によって基準試験が実施されます。工具やガス熔断機など機械によるこじ開けに、一定時間耐えられるかが基準です。より長時間こじ開けようとする攻撃に耐えたものが、より上位ランクとなります。
防盗金庫は盗難を防ぐだけでなく、耐火金庫としての機能も併せ持っています。そのため、防犯と防災を同時に実現する最強の金庫といえるでしょう。その分、価格帯は耐火金庫に比べて高額となります
防盗金庫の性能基準は以下の通りです。
試験の種類 | ランク | 基準時間 |
耐溶断・耐工具試験 | TRTL-15 | 15分 |
耐溶断・耐工具試験 | TRTL-30 | 30分 |
耐溶断・耐工具試験 | TRTL-60 | 60分 |
耐工具試験 | TL-15 | 15分 |
耐工具試験 | TL-30 | 30分 |
耐工具試験 | TL-60 | 60分 |
また防盗金庫よりは防犯性は劣りますが、バールによる攻撃を15分間耐えるテスト「TS-15」をクリアした金庫は「強化金庫」に分類されます。
金庫のさまざまな施錠方法
金庫は施錠方法もいくつかの種類があります。設置場所や使用頻度などを考慮して、適した施錠方法を選びましょう。
以下の5つが主な施錠方法になります。
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ダイヤル式
金庫といえばイメージされる、昔ながらのスタンダードな施錠方法がダイヤル式です。ダイヤルを回して目盛りを合わせる作業を、左右で何回か繰り返して解錠します。
正確に細かい目盛りを何度も合わせる必要があるため、比較的解錠に時間が掛かります。時間が掛かる点はデメリットではありますが、盗難にも時間が掛かるのでセキュリティー面ではかえってメリットともといえるでしょう。鍵を使わないため、紛失の心配が無い点はメリットといえます。また電源を使わないので、故障の心配が少ない点も安心です。
ただし番号を忘れてしまうと、解錠ができなくなるので、きちんと記録しておくことが必要です。また稀に地震などの衝撃で番号がずれてしまい、解錠できなくなることがあります。
テンキー式
プッシュボタンで何桁かの暗証番号を押して解錠する「テンキー式」。ダイヤル式に比べて、素早く解錠できます。頻繁に金庫を使う場合も、ストレスがありません。
暗証番号を変更できる製品が多く、頻繁に番号を変えることで、セキュリティー強化が可能です。解錠時に他の人に番号を見られてしまうデメリットがありますが、頻繫に番号を変えることでデメリットを解消できます。
ただし電池式なので、電池が切れると解錠できなくなります。定期的に電池を入れ替えておく必要があります。
シリンダー錠式
一般的な玄関のように、シリンダー鍵を使って施錠・解錠する「シリンダー錠式」。鍵を差し込めば直ぐに解錠することができます。また電源を使わないので、故障の心配がありません。
ただしシリンダー錠は紛失したり、盗難に遭ったりする恐れがあります。また、ピッキングの可能性もあります。そのためシリンダー錠は単独で金庫に採用されるよりも、ダイヤル式やテンキー式などとダブルで採用され、セキュリティー強化の役割を果たすことが多い施錠方法です。
ICカード式
登録されているカードをかざすだけで、一瞬で解錠できる「ICカード式」。頻繁に金庫を使用する場合におすすめです。カードは複数枚登録できるので、使用する人がそれぞれ携帯しておけます。解錠された履歴が残せるので、どのカードで解錠されたか分かり、トラブル抑止となります。
機械が内蔵されているので、故障すると解錠できなくなる点は、デメリットといえるでしょう。また電池式なので、定期的に電池交換が必要です。
デメリットとしては、カードをの紛失や盗難の心配が挙げられます。また電池式なので、電池が切れると解錠できなくなるので定期的に交換が必要です。
生体認証式(指紋・指静脈・顔)
1人1人固有の形状である指紋や指静脈、顔を登録しておき、かざすことで本人認証し解錠する「生体認証式」。鍵や暗証番号を必要とせず、かつ他人が解錠できないのでセキュリティー面でも優れています。そのため他の金庫に比べて、価格は高い傾向です。
ケガなどで登録した体の箇所に変化が生じると、解錠できなくなることがあります。
おすすめ金庫5選
ここからは、さまざまなタイプのおすすめ金庫を紹介していきます。皆さんのオフィスや自宅に適したものはないか、ぜひチェックしてみてください。
①金庫 耐火 ダイヤル+キー式 小型 耐火金庫 A4用紙収納 耐火1時間
リーズナブルな金庫を探している方におすすめの小型耐火金庫です。自宅の通帳や貴金属などの保管場所に適しています。小型ですが重さが51㎏もあるので、金庫ごと持ち出すのはかなり難しいでしょう。
ダイヤル式とシリンダー錠式のダブルロックタイプで、セキュリティー面も強化されています。
②デジタルテンキー式 耐火金庫 122kg 金庫 90分耐火 [ディプロマット]
火災時に90分間、内部の温度上昇を防ぐ頼もしい耐火金庫です。テンキーとシリンダー錠のダブルロックでセキュリティー面も強化。さらに衝撃や傾きを感知したら警報音がなる「ビルトイン・アラーム」が搭載。テンキーにはスクランブル機能付きで、のぞき見による番号の流出を防ぎます。
③耐火・耐水 デザイン金庫 クリスタルシリーズ 中型 耐火60分 テンキー式
津波や大雨による浸水被害が想定される地域に適した、耐水性も高い耐火金庫です。火災時の放水からも、保管したものを守ります。解除がスムーズなテンキー式。また暗証番号を2つ組み合わせて、ロック解除するデュアルコントロールシステムも搭載。さらにセキュリティーを強化できます。カラーがレッドとブラック、ブルーの3色展開。部屋のインテリアに合うカラーを選べます。
④マルチロック式 小型耐火金庫
オフィスはもちろん、自宅でも使いやすいコンパクトサイズの防盗金庫。重さは金庫ごと持ち出すのが難しい58㎏です。指紋認証とテンキーと2つのロックシステムを採用。好みの施錠方法を選択でき、指をケガした場合も使用できます。さらにフェイスパネル内部にはシリンダー錠の隠し錠前も搭載。ダブルロックでの使用が可能です。
⑤指紋認証+テンキー式 耐火金庫 255kg ウォールナット 60分耐火 防盗
高級家具のような木目調デザインが、オシャレなインテリアにも馴染む次世代金庫。指紋認証とテンキーのダブルロックを採用。盗難防止アラーム機能や暗証番号覗き見防止機能も搭載。さらにロック破壊時に再施錠するリロッキング機能付き。さまざまな機能で盗難を防ぎます。
オフィスや自宅に適した金庫を選んで大切なものを盗難や災害から守りましょう!
大切な財産や書類などのセキュリティーが不充分では、何か起きた時に後悔することになります。機能の優れた金庫を設置することで、大切なものを火災や盗難、水害から守ることができます。
まずは金庫でどんな災難から大事なものを守りたいのか、どれくらいの量を保管したいのか、使用する頻度などの検討が必要です。その上で、必要な機能が搭載された使いやすい金庫を選びましょう。